戦略「脳」を鍛える BCG流 戦略発想の技術

戦略「脳」を鍛える

戦略「脳」を鍛える


この本の始めには、戦略についての定義を行っています。

 まず、戦略について定義しておこう。戦略とは、「ありたい姿」マイナス「現状」である。つまり、「将来こうありたい」という理想の姿と現状とを比較するとさまざまな差違があり、この差を埋めていく道筋が戦略であると定義できる。

経営は生き物という言葉も聞きますが、私たち一個人にも当てはまる戦略の定義です。


こうした戦略は隣と同じではダメで、違いを生み出さなくてはならず、そのカギは"ユニーク"な戦略にあり、そのユニークさを決めるのは、"インサイト"であると説明します。

ユニークな戦略 = 定石 + インサイト

インサイト = (スピード + レンズ) × シャドーボクシング

この本では、インサイトを構成する、スピード、レンズ、シャドーボクシングの具体的な説明と、具体例を用いて、実践を行う流れになっています。

インサイトとここでは使われていますが、いわゆる「アイデアの出し方」の方法論と似ているなという印象を受けました。

インサイトの部分にフォーカスを当てる流れになっている印象でしたが、個人的には、定石を学ぶための参考となる書籍が多く紹介されていたことが嬉しかったです。

アイデア(≒インサイト)を作ることにフォーカスをするならば、こちらの本の方が読みやすいかと思います。

アイデアのつくり方を「仕組み化」する

アイデアのつくり方を「仕組み化」する

  • 作者: ポール・バーチ,ブライアン・クレッグ
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/01/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ですが、今回の本はとりわけ、経営に近い事例紹介などを行っているので、ビジネスよりの"戦略「脳」"を作りたい方にはおすすめかと思います。

【印象的だった言葉】
・何かをモデルにして磨き上げ、新しいアレンジを加えて制度の高いものに改良していくのが創造的作業の基本である。

・思考のスピードを上げるために、目の前の事象をグラフ化して右脳でビジュアル的にとらえることが有効になってくる。

・平均値で考えるのではなく、「脱平均」して考えるということ。

・「世界が大きく変わっているときには、既存の理論では現場は読めない。もちろん、ただ現実を見るというだけではどうにもならない。その時々、仮説を立てながら現場と概念的枠組みをいったりきたりする知的ゲーム、それが本当の学問ではないか。」

・マーケティングの究極の目標は「人の嫌な気持ちを知ること」

・自分でモノを購入して得だとかおもしろいと感じる時に、いったい何が起こっているのか、そのメカニズムはどうなっているのかと考えるクセをつける。

・PNIルール。議論は必ず、P(ポジティブ)、N(ネガティブ)、I(インタレスティング)の順序で行え